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継承日本語に政策は必要か?

本エントンリーは、先日読んだ論文からちょっと疑問に感じたことについて述べたものです。長くなりましたがご容赦を。

 

前回ご紹介した論文は、韓国における日本語あるいは日本における韓国語の継承に関する研究でした(エントリーはこちら)。

 

韓国の事例から

ちょっと驚いたことですが、韓国には「多文化家族支援法」という国際結婚家庭を支援するような法律が制定されているのだそうです。そこでは、多文化家族とは「韓国国民と結婚移民者や婚姻帰化者の婚姻から構成される家族」と定義され、無料韓国語講座の提供や、同じ国の出身者の交流機会を提供することなどを具体的に行っているとのことです。その目的は、こうした移民女性とその子供をサポートすることですが、内容的には同化主義的な政策と言われ、この点、批判も出てはいるようです。つまるところ、それは外国人母の母語継承(例えば、日本人母にとっての日本語など)は視野に入っていないということだと。

しかし、日本人母がこうした機会を利用する場合、日本語継承をサポートするという想定外の効果が生じるようです。つまり、公的機関の支援による日本人交流会のようなものに参加することで、現地日本人コミュニティーとのコンタクトを助け、そこでの出会いを通して日本語継承サークル活動参加へと発展することに役立っているようです。逆に言えば、これは現地社会との間に壁を作ってしまうことにもなってしまうので、政策効果としてはネガティブな副作用となってしまっている感じですが。

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ブラックスクールという現実

今朝の無料新聞記事から。今日はフランス語版のみの記事です。

原文タイトルは”École cherche enfants «blancs»“とあり、日本語にすれば「学校は『白人の』子供を探している」という、ちょっとまあストレートすぎるものでもあります。

今、確認したところ、リンクを貼ったウェブ版(”Paris Match”というフランスの雑誌ですか)の方が記事はもうちょっと長いですね。

新聞では後半部分がガッツリ削られたという感じですが、今読んでみたところ、その部分にこそ問題の本質が見え隠れしているような気がしますが・・・。

 

とりあえず、新聞が掲載していた部分の要点は以下のとおりです。記事はフランス語ですが、焦点が当てられているのはオランダの学校問題です。

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移民統合の現実

今朝の(無料)新聞記事からです。ベルギーの移民問題に関するものです。

日本でも昨今、人口減少による将来的な労働力不足が危惧されています。それを補うために移民を受け入れようとの議論がありますが、近視眼的に当面の労働力不足は解消できても、長い目で見るとまた別の深刻な問題をもたらしはしないかと考えさせられる事例です。

同じ研究レポートに基づいた記事ですが(記事を書いた人が全文精読したかどうかは不明)、オランダ語版とフランス語版で記事の長さ、タイトルの付け方、視点が違うような気がしますので、両方取り混ぜて紹介してみます。

タイトルは次の通りです。

オランダ語版
“Marokkaanse Belgen raken gedemoraliseerd door discriminatie.”
「モロッコ系ベルギー人は差別によって落胆している」

フランス語版
“Les Belgo-Marocains ont le blues.”
「モロッコ系ベルギー人は気が滅入っている」

オランダ語の方はかなり直接的に内容を述べるタイトルになっています。対するフランス語版の方は特殊な言い回しを使った味のあるタイトル付けです。

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