Tag Archives: 日本語教育

日本語能力試験 N3対策 初手

長く補習校に通っていた国際児にはさほど難しいミッションではないと思いますが、通っていたとはいえ低学年でやめてしまった国際児が日本語能力試験にチャレンジするとどうなるかについて、子育て実践者の経験と日本語講師としての洞察を通して考えてみたいと思います。

 

我が家の四人の子供のうち補習校の経験があるのは上二人だけ。一番上は小学校三年修了時、二番目は同一学期修了時に自主退学と相成りました。下の二人は親の気力もリソースも尽き果てたこともあって、不戦敗という感じです。こんなちょっと半端者の補習校経験組二人に合格に向けての秘策はあるのか?・・・です。

 

半端とはいえ、補修校経験組はやはり日本語の基礎があります。日本語を聞く耳も持っています。それらを糧に、二人とも自分の興味を通して日本語に触れてきました。そんなこともあって日本語能力試験のN5とN4は、結果的には大した努力もせずに合格することができました。問題があったとすれば、小学校五年生でN5に挑戦した長男にとって、漢字や語彙よりも大人の文章を読んで理解するということの方が難しかったかと思います。それが読解問題の成績にも反映されてしまったというのが私の見立てです。この点、こちらの小学校では日本の様な国語教育(現地事情で言い換えればオランダ語教育になります)はあまり熱心にやっていないので簡単ではないです。

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補習校に通わせないという戦略

去年の夏休み中、フィールドワークとして補習校に通わせていない国際結婚家庭日本人親にインタビューをしました。自分も含めた日本人学校補習授業校(以下補習校)に子供を通わせていない日本人親が、子供の日本語継承についてどんなイメージを持っているのか知りたかったからです。結果は論文にまとめるつもりだったんですが、調べていくうちに締め切り前にもう少し追加調査をしたくなったので提出自体を延期しました。本エントリーはその要点を備忘録として書き記したものです。

 

そもそも私の調べた限りにおいて、先行研究の多く(というか、自分が知る限り全部)で「補習校に子供を通わせている親(以下補習校組)=日本語継承に積極的、補習校に子供を通わせていない親(以下非補習校組)=日本語継承に非積極的」という等式が無批判に流布しているように感じます。そのため、後者にほとんど関心が向けられることはないようです。

我が家も次男からは非補習校組ですが、自分自身を省みた時、日本語継承に非積極的とは毛頭思っていません。このことは、同じような境遇にある他の日本人の親御さんと話をしてみても感じる思いでした。

 

本当に非補習校組は日本語継承に非積極的なのか?

 

この点の確認をしてみたくなったわけです。

何より、海外永住邦人数と各地の補習校の数・在籍児童/生徒数からすると非補習校組の方が多数派であると推察され、もしそうであれば、非補習校組を研究対象からバッサリ切ってしまうことは実態の多くの部分を切り捨てることにもなるという危惧を抱いたからでもあります。

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非常識な歴史学習法

日本語塾のその後です。

塾といってもその形態は、既に我が子と預かっている子供さん二人の計4名という寺子屋状態になってしまっているんですが・・・w。

 

その寺子屋も今年度からやや授業形態を変えたという話は本ブログでも以前お話しした通りです(詳細はこちらから)。路線変更の具体的要点は「親を巻き込め」ということに尽きると思います。と言っても親に授業の補助を頼むとかそういった類ではありません。継承語の核心は何と言っても「親から引き継ぐ」にあると考えています。この核心部分を日常生活の中で実現すること、すなわち家庭での平凡な日本語会話を親子間に根付かせること、週2時間だけの先生という他人からの「授業」で完結してしまわない継続的な日本語でのやり取りを紡ぎ出し、定着させることこそが「継承」の中身なのではないかという思いがそこにあります。合言葉は、

 

 繋ぐ・繋がる

 

です。これを踏まえての新路線ですが、取り組みを開始したプロジェクトは日本史学習です。さて、理想を踏まえながら、一体これをどう実現するかですが・・・。

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日本語能力試験と日系国際児

年賀状2018-1

ようやく冬休みも終わり、家が静かになったことで仕事をする時間が確保できましたw。

というわけで、新年最初の記事は日本語能力試験 JLPT と日本語継承についてです。

 

もう何度もこのブログで告白してきましたが、個人的には日本語能力試験は継承日本語を身につけることを目指している日系国際児にはあまり関係のない資格だと思っています。あくまで「個人的には・・・」ですが。

というのも、文法問題が出題されることや読解という机に向かってする学習を準備として必要とするなど、受験生に日本語を学ぶ外国人が想定されているように感じるからです。

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第四言語としての日本語。その傍にある継承日本語。

ちょっと間隔が空いてしまいました。継承日本語に関していろいろぐだぐだと書いてきましたが、そろそろネタ切れかな・・・という感じが辛いですw。

本日は若干継承語の問題とはポイントがずれますが、ベルギーの外国語教育システムの中で日本語、さらには継承日本語のポジションを考えてみたいと思います。

 

私が夏休みの間、補習校に子供を通わせていない日本人の親御さんたちから色々と話を聞かせてもらい、深く考えさせられたことがあります。ズバリ、現地教育システムの中での日本語の位置付けです。

Taalgebieden_in_Belgie.svg
ベルギーは連邦国家なので、教育政策はオランダ語地域(左図緑の地域)・フランス語地域(左図青の地域)・ドイツ語地域(左図黄色の地域)のそれぞれが個別に実施します。また、ブリュッセルは蘭仏二言語地域(左図ボンダイブルーの地域)として、オランダ語系の学校・フランス語系の学校が混在する、ちょっと独特な地域となっています。あと、言語境界線に隣接している一部地域も同じです。ま、教育政策の基本ラインはあまり変わりないようになっていますが。

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CEFRと継承日本語

ヨーロッパ言語共通参照枠 Common European Framework of Reference for Languages (=CEFR)』というのが、先日のベルギー日本語教師会勉強会でも何度となく出てきました。自分も10年ほど前から幾度となく耳にしていましたが、特に関心も持っていませんでした。日本語学習過程がヨーロッパ言語のそれとはかなり異質であり、ヨーロッパ言語の枠組みで作られたCEFRというものに対して、ある意味懐疑的であったからです。

しかし昨今、海外の日本語教育の現場あるいは日本の外国語教育の現場でもかなりホットなトピックであり、そこを素通りすると研究の不備を指摘されかねないこと。また、到達目標や評価方法など、抽象的な枠組みを模索中であることもあって、強引に継承日本語の中に放り込んでみることにしました。

今回、その中身を吟味するにあたって改めてネットを徘徊してみましたが、結構な数の研究報告が既に出ていますね。びっくりです。

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ちょっともやもやしていたもの

我が子に日本語を教えるにあたって、それが『継承語』という範疇に含まれるらしいと気づいたのはかれこれ10年ほど前のことです。

そのことは、このブログの前身である育児ブログでも触れてあります。それ以来、随分とこの言葉に人が集まるようになったもんだと、ある種の感慨さえ持つ今日この頃です。

 

先日、ベルギー日本語教師会という会の20周年記念大会があり、そこでも継承語をテーマにグループで小さな話し合いを持つことができました。ありがたいことです。

 

以前は全く孤独に、一人継承日本語について思いを巡らしてはいるだけでしたが、小さな集まりででも研究発表をし、ネットで関連文献をかき集め、また日本で活躍されている先生方とコンタクトを取って論文を送っていただくなど、細々と手を広げてきました。さらに、他所様のお子さんを預かって授業をしたり、研究のために保護者の方々にインタビューをするなど、継承日本語に関して結構とりとめのない思索をしてきたところですが・・・。

 

特に、塾として継承日本語を教えるようになってから感じていたことです。

 

ほんと、継承日本語ってったって、一体何を教えればいいの?

 

いわゆる、到達目標の不在っていうやつです。

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