Tag Archives: ベルギー

第四言語としての日本語。その傍にある継承日本語。

ちょっと間隔が空いてしまいました。継承日本語に関していろいろぐだぐだと書いてきましたが、そろそろネタ切れかな・・・という感じが辛いですw。

本日は若干継承語の問題とはポイントがずれますが、ベルギーの外国語教育システムの中で日本語、さらには継承日本語のポジションを考えてみたいと思います。

 

私が夏休みの間、補習校に子供を通わせていない日本人の親御さんたちから色々と話を聞かせてもらい、深く考えさせられたことがあります。ズバリ、現地教育システムの中での日本語の位置付けです。

Taalgebieden_in_Belgie.svg
ベルギーは連邦国家なので、教育政策はオランダ語地域(左図緑の地域)・フランス語地域(左図青の地域)・ドイツ語地域(左図黄色の地域)のそれぞれが個別に実施します。また、ブリュッセルは蘭仏二言語地域(左図ボンダイブルーの地域)として、オランダ語系の学校・フランス語系の学校が混在する、ちょっと独特な地域となっています。あと、言語境界線に隣接している一部地域も同じです。ま、教育政策の基本ラインはあまり変わりないようになっていますが。

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継承語研究の視座

日系国際児の子育てを通して、今日も継承語問題を考える・・・です。

 

海外で継承日本語研究をするにあたって困るのは、邦語文献の確保です。インターネト上でデジタル配布されていればいいんですが、諸般の事情からデジタル化されていないものが結構あります。そういう場合、著者の方に直接メールでデジタル版がないか照会し、あれば特別に配布をお願いすることになるんですが、大抵の場合は「ない」です。幸いなことに、多くの方がご厚意で抜刷りなどを送付してくださるので、これまで何とか目を通しておきたい論文の多くを読むことができました。

 

今回、また非常に気になる論文を見つけたので、著者の方に送っていただきました。お時間を割いていいただいた花井先生にはこの場を借り、改めてお礼を申し上げる次第です。

いただいた論文はいずれも大変勉強になるもので、大いに参考にさせていただきたいと思います。

 

さて、実際に送っていただいた文献から、今回は以下の三点と絡めて考えたことを記しておきたいと思います。

 

  • a.花井理香(2009)「日韓国際結婚家庭児の日本語の継承 -日本人母の視座を通して-」『同志社女子大学大学院文学研究科紀要 第9号』
  • b.花井理香(2014)「国際結婚家庭の言語選択と社会的要因 -韓日国際結婚家庭の日本語の継承を中心としてー」『異文化間教育39号』
  • c.花井理香(2016)「日韓国際結婚家庭の言語選択 −韓国人母の韓国語の継承を中心に−」『社会言語学 第19巻第1号』

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ベルギーの中学生生活 それでも格差は生まれるようで

突然ですが、娘が身を置くベルギーの中等教育制度について軽く触れておこうかと思います。細かいことを書いても混乱を招くだけだと思いますので、日本の教育制度との違いを軸に個人的に気付いたことをお話ししてみます。

 

日本のいわゆる中等教育(小学校卒業後から大学入学まで)制度とベルギーのそれとの一番の違いとしては、義務教育年齢が18歳までである点が挙げられます。日本より三年長いというわけです。

そしてそのことと関連して、中等教育は義務として六年間設けられており、日本で言うところの中高一貫教育という形を取っています。つまるところ、高校入試はないということです。もちろん、中学入試もありません。どこの中学に入れるかは自治体によって方法が違いますが、我が家のある町ではコンピューターによるくじ引きでした。これについては詳細は以前の記事にあります。

また、義務教育終了後、大学に進学したい場合も大学入試というものはありません。中学・高校時代の成績と修了したコースに照らし合わせ、入学要件をクリアしていれば基本的に自由に入学先を選べます。

 

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秋の異変?

12月5日はシンタクラースです。

(※ベルギーだと翌日の6日が本番です。)

こういうフレーズはネット上でもう珍しいものではなくなりました。それほどまでに、この日は今日オランダやベルギーに在住する日本人が避けて通れない(ブログなどで触れずにはおれない!)イベントになってしまったようです。

ここでシンタクラースについてごくごく簡単に触れておきますと、「それはサンタクロースの原型になったと言われる行事で、17世紀にオランダ人によってアメリカに持ち込まれ、紆余曲折を経て今日のサンタクロースとなったもの」と考えていただければお分かりいただきやすいかと思います。

シンタクラースはいろいろ調べていけば疑問だけがどんどん膨らんでゆくという謎の多い伝統行事です。ネット上にもいろいろな説明が日本語でも見られるようになりました。本当に話の尽きないものなんですが、10年前(古くてすみません)に「シンタクラース謎々紀行」としてまとめたことがありますので、ご興味がおありの方はそちらの方もご覧ください。

 

さて、ここ数年はハロウィーンが割り込んできた感があり、出だしはいくらか大人しくなった気もしますが、既に10月にはスーパーにシンタクラースを型どったチョコレートが並び出します。ハロウィーンの去った今の時期はシンタクラースの独壇場。郵便受けにも厚手のおもちゃ屋のカタログが舞い込んでくる季節です。今頃オランダでは町のあちらこちらにピートというシンタクラースの家来が出没し、お菓子を子供に配り歩いている頃だと思います。

ベルギーはオランダほどには盛り上げませんが、それでも先週末は町の子供服屋でシンタクラースとの記念撮影会があったりと、イベントの噂は絶えません。

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こども大学受講

今月初頭、日本はノーベル賞で沸き返りました。自分は最初の速報を牛丼屋のテレビで知ったんですが、号外も出たとか。翌日、またしても受賞の報道があり、日本国民の気分は恐れ入谷の鬼子母神状態だったような。

ノーベル賞はトータルの数こそヨーロッパ諸国に比べると見劣りしますが、2000年以降の自然科学分野での受賞者数でいえば、横綱級のアメリカに次ぐものだそうです。

この勢いは凄いものですが、その背後には「ノーベル賞量産!」を掲げた政府の後押しがあったとかとどこかで聞きかじった気がします。そして、数年後には息切れするとの記事も・・・。ま、本当のところは誰も未来を正確に予想できないというところでしょう。

 

さて、ノーベル賞フィーバーのその裏では、今世紀に入って理系離れへの危惧が囁かれるようになっていたのも確かです。その対策なのでしょう。我が母校もスーパーサイエインスハイスクールといった看板を出していました。平たく言えば、「理系科目をしっかり教える高校ですよ」ということなのだと思います。・・・多分。

日本の場合、どちらかといえば政策として理系教育の充実を図っている気がしますが、「理系離れ」に対する危機感かどうかはともかく、ベルギーでもプチ理系ブームが広がっているようです。

 

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再開、フランス語・・・ひでぶ!

フランス語の授業が再開しました。といっても、授業は一ヶ月ほど前に始まっていたんですが、緊急帰国や子供の病気などの関係で、これまで四回の授業のうち一回しか参加できませんでした。教科書も全然開いていなかったし・・・(鞄の中でひん曲がってました。涙)。いくら今年は授業料がタダみたいなものであっても、これはちょっといただけないかなと反省。

昨日は一応教科書に目を通し、なんとなく分かったつもりになって、三週間ぶりに授業に参加。晴れて本年度二回目のフランス語の授業です(汗)。結果・・・、

 

   ひでぶ!

 

(※「ひでぶ!」この言葉が分かるあなたは多分私と同世代です(笑)!)

現在、通学二年目ですが学年は三年生に所属しています。文法は過去の蓄積のおかげでそんなに難しくないんですが、教科書の扱う内容がちょっとアレです。

前回の授業の時にも教科書のレベルアップに驚いたんですが、本日感じた「アップした部分」というのは「なんと生活臭の漂う言い回し or 単語の多いことか!」というものでした。そこにサボってしまった部分の遅れも加わって難儀をしたと。

サッカーで例えるならば、試合の入り方が悪く、開始早々1点ビハインド・・・といったところ。あちゃー。

その後、徐々に落ち着きを取り戻し、なんとか試合を作ったという感じですが、3点ビハインドで前半終了という気分。やはり今年は去年のように何も準備をしないで授業に参加できるようなものではないなと痛感しました。

 

  面倒臭いことこの上なし!

 

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個人的に思うこと

ベルギーのニュースで安倍談話中の「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」というくだりが触れられていたと書きましたが(記事はこちら)、そのことについて一つだけ。

 

ベルギーは私の知る限り、第一次・第二次両大戦中の出来事についてドイツに謝罪を要求したことはありません。また、人口を半減させるほどの過酷な植民地支配をしたといわれるコンゴに対しても謝罪をしたと聞いたことがありません。本来、そいう歴史的事実と国家の謝罪というのは別次元にあると考えられている気がします。

ヨーロッパで植民地支配に対して公式に謝罪をした政治指導者は、確かイタリアのベルルスコーニ元首相だけのように思います。2008年にリビアに対して行ったものです。どうしてあの人が?

何が彼にそうさせたのかは分かりませんが、まあ、ヨーロッパなんてこんなもんです。

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