勝手にオススメ文庫

最初は自分の生徒に議論を持ちかけられた時に

 

本、読まない人だから、自分。

 

などと恥ずかしい答えをしないために読み始めた現代日本文学ですが、いつの間にか、

 

「上手い!」と唸りたくなるような作品に出会えることを願って。

 

というスローガンの下(私のブクログ本棚より)、日夜(時間をやりくりしながら)読書に勤しんでいます。それこそ、純文学からラノベまで、いやしいぐらいに幅広く手を出しています。

 

ところで、私が本を読む際に最も重視したいのは心情描写です。以前も書きましたが、文学作品においては「楽しいことを『楽しい』、悲しいことを『悲しい』」と表現すべきではないと思っています。楽しいや悲しいをこうした言葉、あるいはそれと関連付けられた言葉をあえて使わずに描く。これが文学の醍醐味ではないかと勝手に思っています。

今日は、こんなワガママな持論を持つ一日本語教師が、心情描写だけにほぼテーマを絞ってオススメの本を紹介したいと思います。

ただし、本の好き嫌いは非常に個人的なものですので、全ての方が一様にこの選択に同意されるとは思いません。「たまには文学でも。でも、どんなのがいいか分からない」という方のご参考になればと思います。

 

まずは連城三紀彦さんの『恋文・私の叔父さん』です。

特に『私の叔父さん』が良かったです。薄い伏線の仕込み方とその回収の手際が秀逸でした。振り返った時間の方が長いオッサンには、こういう作品が心の琴線に触れてしまうんですね。1984年の直木賞受賞作です。

 

お次は阿刀田高さんの『ナポレオン狂』です。

短編ならではの小気味よいテンポとラストの落とし方。しかも一種悪寒のようなものを残すテーマ設定。「落とした。そして驚いた」では済ませない短編の凄みがあります。1979年の直木賞受賞作です。

 

藤堂志津子さんの『熟れてゆく夏』です。

あんまり文章が巧みなので、読後調べまてみました。この方は詩人だそうです。どうりで上手いはずです。連ねられた言葉が生き物のように動き出してくる。そんな錯覚にも捉われてしまいました。1988年の直木賞受賞作です。

 

桜庭一樹さんの『私の男』です。

一番最近読んだ中では群を抜いて心理描写が巧みでした。特に、女性の心理を描かせたらなかなか並ぶ人が見当たらない気がしました。「凄い人だ」と思っていたら、女性だったんですね。張り巡らせた伏線の回収方法も不思議でした。時間を遡っているだけなんですが、もう一つ何かを感じさせられてしまいます。2007年の直木賞受賞作です。

 

高樹のぶ子さんの『光抱く友よ』です。

残念ながら、ブクログの読書メモに記録が残っていませんでした。珍しく再読してしまった作品なんですが・・・。もう一度読み直してメモを残そうと思います。

1983年の芥川賞受賞作です。

 

以上です。これらの作品には個人的にみな五つ星をつけています。あまり文学作品に星を付けたりすることはないんですが、思わずつけてしまった。それぐらい行動に走らせた小説たちということです。

いずれも電子書籍として手に入るものばかりですので、ご興味のある方は海外からでもお気軽に手に取ってみてください。

 

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