日本でも人気のフランスのお菓子パルミエ
学期の最終日ということで、いつも通り学校の帰りに外食ということになりました。どこに行くか?もう聞くまでもなくマクドなんです、子供に選ばせると。
ヨーロッパの人の中にはマクドナルドを徹底的に否定・無視する人がいます。「行ったことがないし、家族にも行かせない」みたいな。私はノンポリの日本語教師なので別にいいです。三ヶ月に一回くらいなら食べますよ。もうしっかりと味覚はジャンキーな味に汚染されてますので。
で、ブリュッセルに出ると必ず買ってしまうものがあります。これです(↓)。
Paulというフランスのパン屋チェーンで売っているパルミエです。日本でいうところのパイみたいなものですね。
フランス語ではPalmierといい、本来は椰子の木を意味する普通名詞です。形が似ているからこう呼ばれるようになったと言われていますが、「手のひら」という意味もあるそうで、本当のところはどちらが由来なのか、疑り深い自分はちょっと興味津々です。まあ別にどうでもいいことなんですが。
このお気に入りのPaulのパルミエ、最近ではその美味しさが家族にばれたことで、自分でまるまる一枚食べたことがないです。今日は二店回ってなんとか4枚をゲットしましたが、我が家は六人家族です。一人一枚行き渡らないです。
そもそも、Paulというフランスのパン屋を知ったのは全くの偶然で、娘がまだ小さかった頃ですから10年くらい前でしょうか。フランスのリルという街に行った時に、駅の隣にある巨大なショッピング・モールの中で発見しました。多分、その時にこのパルミエを知ったのだと思います。
数年前に一時帰国した際、大阪のデパートの地下で見つけた時は驚きました。まさか日本に進出していたとは思いませんでしたので。でも、パルミエはなかったです。売っていなかったのか、売り切れだったのか。
ネットで検索をかけてみると、結構関連記事が出てきますから、日本でも売っていて、現在ではかなりの人気商品なのが伺えます。一方こちらでは、今日は一時頃に買いに行ったのに、一軒目は一枚、二軒目は三枚しかありませんでした。ベルギーでも人気の商品です。
このパルミエ、実はドイツにも売っていたりします。行って見つければ買います。
ただし、ドイツでは同じものが「Schweinsohr=豚の耳」と呼ばれています。うう、何というセンス!
片や「椰子の葉」、片や「豚の耳」です。
嗚呼、ドイツに栄光あれ!
ちなみに、日本では「源氏パイ」という名で三立製菓からよく似たものが売られているそうです。「源氏パイ」かどうかは分かりませんが、パイのお菓子なら日本で食べたことがあります。でも、特に印象に残っている記憶はありません。それなりのお菓子だったのでしょう。
では、いつものようにそろそろ実食です。モグモグ・・・。
サクッとくる歯ごたえが「正統なパイ」をまず印象づけてくれます。表面を覆う砂糖(かな?)が硬軟両方で歯に反発してきます。「硬い」という言葉を使うことが許される剛性なんですが、同時にしっとりした柔らかさがパイ生地全体に残っています。このへんが生菓子たる所以で、日本にあるいわゆる「パイ」と呼ばれているものとは違う点です。実際に、パルミエは日持ちしないですし。
甘さについて、こちらのケーキ類と比べると控えめといった感じがしますが、日本のケーキ類と比べるとやはり強いです。砂糖(かな?)がダイレクトに存在を主張してくるという、まあいつもの印象です。
多くの方が日本で高評価をしているパルミエ。「パイ生地がどうにもダメ(うちのおかんです)」という方でなければ、トライしてみる価値のある味です。店舗もあちこちにあるみたいですし、皆さんも一度いかがですか。
追記:一晩置いておくと、Paulのパルミエは幾分湿気を含んで柔らかくなります。「湿気ることは悪!」と日本で刷り込まれましたが、適度に水分を抱いたパルミエもふくよかな味わいがしていいですよ。