ゆるりと継承語

日本語を家庭に持ち込む

このサイトを通じ、これまでいろいろなことを述べてきましたが、自分が我が家に日本語を持ち込んだのは突き詰めれば自分自身のためだったと思っています。もちろん、男親の名前が自動的に子供に受け継がれる社会なので(しかも現地語でありえない発音の名字・・・涙)、将来、就職などの書類審査において差別されるかもしれないことを前提に(それが普通に起こることは各種研究から指摘されています)、履歴書に「日系です。日本語できます」をアピールするという理由もあるにはありました。

しかしそれでも、そんな問題は沖合にぼんやり揺れる蜃気楼のようなもので、やはり目の前にはっきりと見えていたのは自分自身が改めて日本と関わることの楽しみでした。遠く祖国を離れ、世知辛い現地社会で我が身の語学力の低さにコンプレックスを抱き、対人関係で肩身の狭い思いをしているなら(はい、全部自分自身のことねw)、堂々と祖国を懐かしめばいいと思います。それを恥じる必要はないし、鼻の穴を膨らませて「子供のため!」と言う必要もないかと思っています。むしろ、「こんな自分のために漢字の勉強をしてくれてありがとう」ぐらい言わないといけないのかもしれません。

 

いろいろやってきましたw

では、これまで自分はどんなことをしてきたか。ちょっと思いつくままに書き留めてみましょう。その変遷はネット環境の発展と並行して進化(?)してきました。

まず、ネット上に今ほどの日本の情報が溢れていなかった時代、とにかく日本からいろいろなものを送ってもらいました。育児用品に始まり、絵本・音楽CD・DVD・おもちゃ・お菓子の類です。

自分はあまり思い入れのある絵本というのはないんですが、そういうものがある方は子供に日本語で読み聞かせてあげることが異国で自分自身を再確認することに繋がるのではないでしょうか。育児という社会から孤立しがちな場面で非常に重要な癒しになるような気がします。

自分の場合はといえば、童謡のCDを聞くことでいろいろな再発見を楽しむことができました。ウサギのダンスの「歌詞あったんかい!」や、桃太郎や浦島太郎のストーリー仕立ての歌詞に驚き、鉄道唱歌の中の語りをなぞったりもしました。とにかく小さな子供相手の単調な生活の中で気持ちをリフレッシュさせる瞬間の連続だったように思います。

年老いた両親でも番組録画が簡単になってからは、NHK子供番組やアンパンマン、ドラえもんなどのアニメの録画を頼んで送ってもらうようになりました。『お母さんといっしょ』なんて番組、日本で見たことはなかったですが、子供と一緒に結構見入ってしまいました。本を積み上げてはピタゴラ装置を作ったり、アニメは録画DVDの同じ話を繰り返し見ていました。アンパンマンやドラえもんを身近に感じてもらおうと、指人形なんかも揃えたぐらいです。

日本に初めて一時帰国した際にはトミカやプラレールをどっさり持ち帰りました。ミスタードーナツの情景部品やヤマザキ・パンのトラック、黒塗りタクシーにスーパーカブまで。恐らく、自分が子供の時に買ってもらった以上のプラレールとトミカに囲まれていたはずです。

ヒーローものでは初代ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマンのDVDを見ながら怪獣のソフビに囲まれていました(それ以後のウルトラものはあまり思い入れがなかったですw)。大阪城に行っては「ゴモラが壊したお城やで」なんて話も普通に成り立つまでにw。

その後、もう少し手軽にいろんなものが見れないかと衛星放送やロケフリなどの導入を検討しましたが、いずれも月々の費用がかさみすぎるので断念。結局、10万円ほどかけてパソコンでのT V番組録画システムを実家に作り、番組を遠隔操作で録画、回線速度の多少速い職場のネットでダウンロードして(をいをいw)なんとか擬似テレビ環境を構築しました。まあこれも画質が悪かった上に、デジタル放送は録画できないので、地上波終了とともに引退。無駄な投資をしてしまいました。

 

アマゾン・プライムへの移行

そうこうしているうちに、なんとネット上で(違法な!)日本のアニメ配信が盛んになってきました。2010年代に入ろうかという頃だったと思います。アンパンマン、ドラえもん、ヤッターマンを探し出してきては見せるようになりました。「騙される方が悪いんだ!」「インチキ商売!」や「お前のものは俺のもの、俺のもは・・・」という言葉が自然に交わされていました(道徳的に問題ありのセリフばかりですね)。アンパンマン、ヤッターマン、ドラえもんのおかげです。

とはいえ、やはり違法なものはいけません!JASRACに突撃されても困りますし・・・。ということで、今はアマゾン・プライムを契約しています。これも決して安いものではないし、視聴するにはちょっとした手段が必要です。VPNを通すか、それよりずっと安いSmart DNS Proxy を利用するかです(両者のメリット、デメリットについてはいずれまた記事にしたいと思います)。しかし、それでも邦画と日本のT V・アニメ番組の充実度を支えに、年間の収支をトントンにするぐらいに利用しています。普段あまりテレビや映画を見ない自分でも元が取れるぐらいには利用できるので、お好きな方なら十分導入する価値ありだと思います。

 

自分自身のためでもいいじゃない?

こうやって振り返ってみると、日本を楽しむ・懐かしむ仲間がいてくれて本当に良かったと思います。幸いにも我が妻は日本語がわかるんですが、それでも子供の好奇心に勝る相棒はいないようです。他にも、日本語継承という共通の目標を通して気の合う日本人の友人を得ることもあるかもしれません(私は友達いないタイプなので、そういうことはしていませんがw)。

日本語継承を親にとっても子供にとっても苦行としないような、そんな心の余裕をどこかで持ってもらえることを願ってやみません。

 

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