駆け上がる日本史

継承日本語教育に関する面倒臭い諸々のことは、ひらがな・カタカナの学習を終えた後にやってきます。というのも、それより以前は「ひらがなとカタカナを覚えさせる」という明確な到達目標が設定できるからです。この目標はどの日本人の親御さんにとってもほぼ無意識に共有されているものであり、国の内外を問うものではありません。あるいは、外国人のための日本語教育でもかぶっていると言ってもいいぐらいの自明のことかと思います。言い換えれば、ここまでは『幼児教育』と方向性が同じなわけです。

 

ひらがな・カタカナの学習が終わりました。さて、「次」はどうしましょう?

 

といったところで継承語教育は突然カオスに陥ります。

 

どこまでの日本語能力を身につけさせるかについて共通の具体的コンセンサスはありません。教えるための適切な教科書もありません。それぞれの子供の日本語能力はてんでにバラバラです。何を、どういう風に教えるべきかという研究も進んでいません。日本語だけではなく、日本文化に関してもいろいろと身につけてほしいと多くの親御さんは願っています。ついでに言えば、教室に集まる子供の年齢と認知力もバラバラです(涙)。

 

仕方がないので・・・ということで、当塾では私の「願望」を到達目標として一方的な授業を進めています。「私にとって都合の良い日本語と知識を身につけさせる」という手前勝手なゴールです。なんといっても、継承語教育は親の勝手な都合で実施していると自認していますので。

 

「日本の歴史」に関しても然りです。授業の方向性として、こちらでの生活に全くといっていいほど関係のないこの教科をゴリ押ししてみたいのです。

 

私は小学校の時代から割と歴史が好きでした。中学・高校時代は体育と歴史(世界史・日本史問わず)で平均点を押し上げていたというくらいですので。小学校の時に持っていた『歴史図鑑』は貪るように読みました。そんなこともあって、我が家にも小学館の『歴史館』という一冊がやってきたわけですが、娘は見向きもしなかったものの、長男はパラパラとページをめくっては固まっているところがいい感じです(笑)。

 

というわけで、塾の方でもなんとか日本史というものを取り入れようと、ずっと機会を伺ってきました。ただ、いきなり大化の改新や織田信長なんて持ち出してきたとこでハードルが高すぎるものでして・・・。

 

そこで考えた方法というのが

 

  ゆっくり・ざっくり・かけあがる

 

というものです。

 

ゆっくり」というのは、まあそのまんまです。ただ効率的に過去の出来事を追いかけるというものではないということです。仕込みにもじっくりと時間をかけます。

ざっくり」というのは、あまり細部にこだわらないということです。これまでのところ、明治・大正・昭和・平成という時代は「近現代の一かたまり」として、それ以前は単に「侍の時代」として江戸時代についてだけ話しました。このちょっと強引な両時代区分の間にある違いを感じてもらえればというのと、テレビなどで今の天皇陛下を見た時に誰かが理解できるぐらいにはなって欲しかったというのがあります。

そして、もう一つの「かけあがる」ですが・・・。ここまで、身近な時点から過去に駆け上がっていくやり方で日本史を語ってきました。本来なら、歴史は遠い時代から今へと時間を辿りながら学習するのが王道のはずですが、縄文土器やら邪馬台国はベルギーに住む日系国際児にとってはあまりにも遠くにありすぎると感じたため、できるだけ身近に感じられるものから紹介し、徐々に古い時代へと遡ってゆくことで現在との違い(=歴史的なるもの)を肌で感じ取ってもらおうとの趣向です。

 

この「ゆっくりざっくりかけあがる」日本史の第二幕が前回の授業で開演したというわけです。

京都で葵祭があり、その映像をきっかけにして、まずは日本で「貴族」と呼ばれていた人たちがいたことについて触れました。侍ではない昔の日本人の登場です。この時、鎌倉時代から江戸時代までを侍の時代として新規追加し、その前の平安時代を貴族の時代として紹介しました。同時に、侍の時代にも江戸時代の前に安土桃山時代という、日本中で侍同士が戦争をしていた時代があったことにも触れました。

今後は日本の城郭の話(安土桃山時代=戦国時代)、金閣寺に代表されるような室町時代、鎌倉の大仏と鎌倉時代、十二単・和歌(百人一首は坊主めくりで知っています)といった平安時代の文化・風習などへの言及も交え、日本の歴史を映像や画像で繋いでゆくような授業をしてみようと思っています。暗記ゼロの日本史で。

 

 

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