初体験『上級へのとびら』

知らぬ間に担当するクラスが替えられていました。四年生を担当すると夏休み前に同僚から言われていたんですが、蓋を開けてみれば六年生。いわゆる「上がり」のクラスなんですが、ベルギーには現在その先というレベルがないことから、もう何年も居座る実質8年生ぐらいのツワモノ揃いのクラスです。うへっ!

とは言っても、かつて教えたことのある人ばかり。皆さんいい生徒だったので、特に問題のあるクラスということではありません。どちらかといえば心臓に優しそうなクラスです。

ただ、困ったことに、レベルだけは公的なところを超えているので、教科書がかなり先へ進んだものになります。今まで立ち入ったことのない領域、使ったことのない教科書です。手元に持ってさえいなかったというお恥ずかしいレベル。急遽、ブリュッセルの日本の本屋に問い合わせ、在庫があるということで行ってきました。久しぶりの日本人学校(の近所)です。

その教科書というのが『上級へのとびら』という、一応中級と位置付けられている一冊です。職場の書庫で見たことはありますが、手にしたことはなかったかも。

「どうせ、あんまり役に立たんやろう」と思ってたんでしょう。

今回、授業で採用されていなかったら真面目にページをめくることもなかったはずです。購入後、サンドイッチを食べながら、早速パン屋で拝見。帯には『画期的!中級日本語教科書誕生!』とありますが、どう画期的なんでしょう?今時珍しい付録CD無しの教科書ですが・・・。

 

さらっと眺めた視覚的印象としては、割ときちきちに文字が埋まっていて、一見しんどそうな感じを受けます。しかもフォントが小さい。老眼にはツライなぁ。漫画がところどころに配置されているので、雰囲気の重さ自体は幾分軽減されています。が!フォントがさらに見辛い。

文章はほぼ日本語メインです。読み物などの長文テキストでは多くの漢字にルビが振ってあります。自然な日本語の文章を書こうとするならそれなりの難しい語彙が必要で、当然カバーしきれない漢字も出てくる以上ルビを振るのは仕方のないところですね。テキスト自体はよく練られているので、普通に日本人が読んでも楽しめます。

「単語表」に並べてある単語も割とレベルの高い部類のものです。結構つっこんだ会話をしたい場合には役立つかもしれません。逆に言うと、日常会話レベルを超えています。さすが中級!「文法ノート」で扱う文法も難しいです。かなり特殊な(?)文法も散見されます。「それ、本当に使えるの?」という感じのやつです。

 

ウェブサイトも用意されていたので、そちらの方へも行ってみました。

なかなかの充実ぶりに思えます。音声教材は音読練習にも使えます。動画の中では普通の日本人が話したりする場面もあり、ちょっと難しすぎるのではないでしょうか。通常ならワークブックとして別途販売されるような、漢字・文法のいろいろなプリントが無料でダウンロードできます。ワークブックは二種類(『上級へのとびら これで身につく文法力』『上級へのとびら きたえよう漢字力 – 上級へつなげる基礎漢字800』)販売されてはいます。

 

手にして半日分の感想です。

表紙には『コンテンツとマルチメディアで学ぶ日本語』とサブタイトルがつけられていますが、「マルチメディアで学ぶ」というのはちょっと言いすぎのような気がします。それでも、「コンテンツで学ぶ」という狙いは達成できているんではないでしょうか。ただ、そうであるがゆえに読解の方に重心が傾いてしまっている気もします。耳を鍛えるインプットが不足している感じです。

もしこの教科書を教室に持ち込んだ場合、読解の比重が高くなりそうな気がするので、聞く・話すを補う工夫がいるだろうと思います。

 

高齢学習者への配慮がないこと(字が小さい!)と、聞く・話すに関しては現場におまかせ・・・な感じがしますが、(私の)知的好奇心を刺激するコンテンツが良かったので、星4つ半ぐらいつけてもいいかと思います。

あと、継承日本語学習の参考になりそうなところも多々見られたのはよかったです。それについてはまたいずれ。

 

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